the Global Sessions

オセアニア滞在&旅行記です。

Sicko

22:42
Sicko
マイケル・ムーア監督の問題作。

ついついハンバーガーを一ヶ月毎日食べ続ける男の撮ったドキュメンタリーと比べてしまうのもいかがなものかと思う。けどマイケル・ムーアの視点はハンバーガーを一ヶ月毎日食べ続ける男のそれよりもはるかに優れているし、ドキュメンタリー製作者として数段上だ。

作りは「ボウリング・フォー・コロンバイン」とほとんど変わらない。最初に悲しみや怒りをあおるだけあおってからオトス。

カナダ、イギリス、フランスの医療制度がいかに優れているかを証明しアメリカのそれを徹底的に非難する。そして最終兵器としてキューバの医療制度を登場させる。上手い。敵視してきた国との比較によりアメリカはさらに貶められていく。この現実を知った時のアメリカ人の失望が目に浮かぶようである。

個人的には911でアメリカ社会がヒーローとしてあがめ奉った人々のその後にかなり衝撃を受けた。

しかしヒラリー・クリントンにしてみたら心強い援護射撃となったことだろう。この映画はヒラリー支持を明確に打ち出しているようなものだから。

いかにアメリカの医療保険制度が崩壊しているかと恐ろしくなった。特にキューバで5セントのぜんそく薬がアメリカでは120ドルもするという。本当かどうか疑わしいものの、ドキュメンタリーとしてアメリカ

アメリカナイズされていく日本の社会でも同じようなことが起こりうる問題を扱っているので一度観ておいて損はしないでしょう。ということで☆☆☆☆にしようかと思ったんだけど☆☆☆1/2くらいが妥当。



DIE HARD 4.0 (2007.08.14)

ケラ様が書いているように、デジタルの力なくしてこの映画が成立しない以上、「アナログVSデジタル」という対立軸はとても無意味なものに思えてしまい興ざめします。

それと粗が目立ちすぎます。S.U.V.に轢かれても平気だったりとどめをささなかったために逆襲したりされたり。

何はともあれ迫力だけは十分ありますので内容を気にしない「ダイ・ハード」シリーズのファンの方なら劇場で観た方が良いでしょう。ただし1000円以上の価値はありませんのでそれ以上は払わないように。






DRIVING LESSONS

0629
16:55

ハリー・ポッターで脇を固める役の男の子が出てるという理由で日本でも公開されそうだけどわざわざ劇場公開する必要のない平凡な少年の成長物語。この駄作を見て時間を無駄にするくらいなら僕は「Scent of Woman」をオススメします。

ということで、カット、カット!

Fantastic Four: Rise of the Silver Surfer (2007.08.11)

これまた日本ではまだ公開されてないんですねえ。「ダイ・ハード4.0」みたいな見る前からだめな作品が先行公開されているというのにねえ。<ちなみに「ダイ・ハード4.0」来週火曜日に見る予定です。

0622
13:30
ゴールドクラス

実はパート1を見ていない。でもアメコミのヒーローものだから予備知識なんてなくても十分楽しめた。最初のつかみとしてトーチがシルヴァーサーファーを追いかけて大気圏外まで行くのですがこのシーンはとても臨場感があって劇場で見てよかったと思いました。

ヒーローであることの苦悩はありきたりだけどエンターテイメント作品としては良くできていると思います。「THE X-MEN」と同じくらい楽しめるかな。

「ダーク・エンジェル」でファンになったジェシカ・アルパのブロンドヘアーに最初は違和感を覚えましたがメガネをかけて登場した瞬間にノックアウトされてしまいました。

FRACTURE (2007.08.07)

PRIMAL FEARにまったく及ばない。

驚いたのはとにかくチープなトリックであること。僕のような素人が簡単にわかってしまうようでは

同じ携帯を使っている刑事が自分のと間違えたことから拳銃を取り替えたトリックに思いつくんだけど、もう途中からトリックを見破っていた僕にはその説明すらうざく感じられた。「THE PRACTICE」とかにはもっとすごいトリックを使った頭の良い犯人が出てくる。そういうのをもう10年も前から見ている人間にしたら、このチープさはなんだ、と怒っても良いくらいのものであった。


LICENSE TO WED (2007.08.07)

☆☆☆☆1/2

ここ5年間で観た恋愛を描いた作品の中ではマイベストです。「銀幕漂流記」を読んで共感を覚えることが多い方であれば絶対に劇場で見てください。

笑いを創造できる人々に対して抱く尊敬の念をますます強めさせてくれる作品です。

ロビン・ウィリアムスがとても生き生きとしていてああこの人はやっぱりコメディが一番本領を発揮できるんだなあと思ったり。

コメディでありながら結婚という人生の重大な選択についてもシリアスに描いていてちゃんと考えさせてくれる。つまりリアリティがあるのだ。ビートたけしの持論である振り子理論は正しいかもしれない。笑いを描ける人は感動をも産み出せる。劇中、不覚にも泣きそうになったシーンがあったので余計にそう感じた。


傑作ハリウッドドラマ「THE OFFICE」の監督の手によるものであることが後に判明する。(主演のJohn Krasinskiは「THE OFFICE」のメインキャストである。また、劇中「THE OFFICE」出演俳優の顔を数名認めることができた。確信したのは宝石店の女性スタッフが「THE OFFICE」に出演しているのがわかってから。)

BABEL (2007.08.06)

菊地凛子、あれだけで賞レースに参戦かよ!ゴールデングローブとかアカデミー賞を選ぶ人々がいかに見る目がないか良くわかる。権威と呼ばれる人々の目がいかに節穴であるかも。もちろんそこには色々な思惑があっるのだろう。たとえば日本人を一人くらいノミネートさせておけば日本のバカなメディアも大々的に取り上げてくれるし、なんて。まあ所詮賞レースなんてそんなものと思うしかない時代なのだ。

映画に流れる空気は決して嫌いじゃない。全てがリンクしているという設定も悪くない。けれど何か煮え切らない。砂漠に置き去りにされた子供らが救助されたり、首を打たれてろくな治療もうけられずに横たわっていたケイト・ブランシェットが助かったり、まったく女子高生に見えない菊池凜子が会う男会う男に色目を使いまくってたり。まあ最後のは日本人でなければわからないだろう。

そもそも日本人の描き方も結構酷いものだった。あんな風に描くくらいならまだ今まで描かれてきたトンデモなく勘違いされたジャパニーズの方が笑って許せてしまうような気がする。あの微妙にズレた日本人像や日本社会の描き方にはかなりの不満を覚えてやまない。

イン・ザ・プール (2007.08.03)

時効警察の原点。

三木聡っぽいなあと思っていたらやっぱりそうだった。